2016年

6月

23日

なぜケアテイカーの親は子供を依存的体質にしてしまうのか?

アダルトチルドレン(AC)の特徴の1つであるケアテイカー
ケア(Care)をテイク(Take)する、つまり「進んでお世話をする人」という意味で使われ、彼を甲斐甲斐しく世話をしてしまう女性や、子育ての場面で子供を無意識にコントロールしてしまう、というパターンにはまりがちな方に多いのが「ケアテイカー」の特徴です。

前回の記事では「ケアテイカーが付き合った相手がダメンズになってしまう理由」について書きましたが、今回は

「子供が不登校や引きこもりになってしまった」
「ものすごい拒絶反応を示すようになった」

という状況がなぜ起こるのか。そのとき親子関係で一体何が起こっているのかについてお話します。

なぜケアテイカー型アダルトチルドレンの親は子供を依存的体質にしてしまうのか?

子供のことをとても愛していて、その愛情ゆえに

「失敗させたくない」
と強く願いがちなのが、ケアテイカー型のアダルトチルドレンの親御さんによくある共通の特徴

子供に失敗させることを極度に恐れ、常に安全で危険性のないところに我が子を置いておきたい。
そんな気持ちがいつの間にかエスカレートして、子供の判断を奪い、未来も自分の思いに添ったものにしたがる、というのが今までいただいたご相談の中でとても多いのです。

ケアテイカーの親を持つお子さんから寄せられたご相談

AC克服カウンセリングでご相談者からよくお話を伺うのは
【あまりにも過保護でコントロールに満ちた子育ての実態】です。

最近特に多いのが「親からコントロールされてしまった子供」の側からのご相談。
今まで寄せられたご相談内容をいくつか紹介すると…

進学や就職のコントロール

「◯◯大学以外は大学じゃない」「士業(弁護士・医師・税理士)以外は仕事と認めない」「あなたは◯◯になりなさい」

親が子供の未来を決め、それ以外の選択肢を与えずにいる、というのは、一見教育熱心な親御さんにも見えますが、ある意味子供の価値観や自由な選択肢を奪っていることになります。

「今のうちにエスカレーター式の学校に入った方が将来まで安心だから」と、今の友達と別れることを嫌がる子供の気持ちを無視して学校を変えさせた結果、お子さんが不登校になってしまった、という例もあります。

食べ物のコントロール

ケアテイカー型の親御さんの中には「食べ物に対して過度の危険性を子供に植え付ける」という例が少なくありません。

「◯◯のお店はダメよ。◯◯酸の油を大量に使ってるから」
「コンビニで食べ物を買ってはいけません。添加物の塊を食べさせられて、将来は癌になるんだから」
のように、子供が口にするものに対して過度に反応し、まるで「毒を食べてるかのような言い方をする」ことがあるようです。

また、そういう(特定の企業の)悪口を言わないまでも
「私は冷凍食品は一切使わないの」「お惣菜は買わない」「外食はしない」と言って、すべて手づくりで食事を用意しようと頑張りすぎてしまう方もおられます。

これが悪いとか、添加物の危険性の正当性について議論するつもりはありません。
ただそれがお子さんからみて「禁止事項が多すぎて、そのダメな理由が「行き過ぎた恐怖感を植え付ける」形のコントロールになっていないか」を考えてみて欲しいのです。

実際に「食べ物を常に気遣って、健康的な手作りのものを食べて育てられた」お子さんが、親御さんの価値観を受け入れることに過度のストレスを感じてカウンセリングに来られる例が少なくありません。

「口から入れるものの安全性を主張」されることも重要かも知れません。ですが、
「心に入るものの安全性」について、過度のコントロールや判断を奪う言葉や態度がなかったかをゆっくり見なおして欲しいと感じています。

価値観(勝者・敗者)のコントロール

「あの子は親の言うことを聞かないからあんな問題を起こした」
「◯◯をしてる人は決まって陰で悪いことをしている」
「◯◯さんとは仲良くしちゃダメよ」

このような価値観を小さなときから植え付けるように言い聞かせたり、
道行く他人を見て

「ほら。あんな風になるのよ。恥ずかしいわ〜」

などと、全然知らない他人を敗者のように言う行為を、子供は平静な状態では受け取っていません。

罪悪感コントロール

「こんなことをして。どう言うの?「ごめんなさい」は?」
「ウソをつくのは泥棒と一緒よ?」
「ほらまたこんなことをして!お母さんの仕事を増やさないで!」

親が子を叱るとき、適度に反省を促すことは子育ての上では必要です。
ただそれが、日常的に罪悪感を子供に背負わせるような態度を取るのはあまり良い姿勢だとは思えません。

その他にも「大変なんだから少しは助けてちょうだい」「長男(長女)なんだからこれくらいしてくれて普通でしょ」という言葉も、相手に罪悪感を感じさせ、コントロールしようとする姿勢の現れだと言えます。

親御さんからしてみたら、日々のストレスから何気なく出てしまったため息混じりの愚痴も、言われた側にとっては罪悪感を背負わせることになる場合もあります。
常に子供に何かしら謝らせようとしていないか、感謝や恩義を感じさせようとしていないか、少し注意が必要です。

いつまで経っても子供は子供コントロール

ケアテイカー型の親を持ったご相談者の多くが「今でもいつも言われています」と言われるのが
「いくつになっても子供は子供」というコントロールです。

自分の産んだ子供、という意味では確かにずっと子供であることには違いありませんが、その言葉の奥に「上下関係を承諾させるための意思」や「世話をすることを嫌がらせないための布石」や「将来は面倒見てよねという希望」が混じっている場合は、受け入れられる言葉ではなくなります。

また、余談になりますが、ケアテイカー型の女性がご主人に対して必要以上にケア(擁護)をテイク(与えようと)し過ぎた結果、ご主人に嫌がられてしまい、その受け入れられなかった愛情を過度に子供に注ぎ込もうとする場合もあるようです。

【関連記事】機能不全家族とアダルトチルドレンの関係(AC大阪)

ケアテイカー型ACに育てられた子どもが陥りやすい傾向

上記のようなコントロールを家の中で日常的に受け続けてしまった子供はやがて、大人の年齢に近づくに従って強い不安感を覚えるようになります。
(実際にAC克服カウンセリングには10代後半〜20代前半の青年が、親のコントロールに耐えかねて自分のお小遣いやお年玉を持ってカウンセリングを受けに来られる、という例が少なくありません)

ケアテイカー型のアダルトチルドレンの親を持つ子供がどのような不安を感じていくのかについて例を挙げていきます。

自分の意見が言えない

価値観を親に預けてしまった(親の価値観に従って生きてきた)ために、コントロールを受けた子は、ふと気が付くと「自分の意見がない(言えない)」ことに気付いて愕然としてしまいがち。

同年代の人たちが自分の意見をガンガン主張していく中で、自分自身は何も言えない。
人間関係も苦手なので、就職や恋愛も不安でいっぱい…。
このような状況を感じただけで落ち込んでしまうのです。

(もしこれを読んで不安を感じてしまった方がいたとしても、訓練すればいずれ問題なく自分の意見も言えるようにはなるのでご安心くださいね)

自分で判断できない

上記(自分の意見が言えない)と似ているのですが、自分自身で判断ができない傾向がある、と感じることが多いです。

これがいけない、とかダメだ、ということではなくて、AC克服カウンセラーは「何故そうなってしまったのか?」に着目します。そうすると、

「今まで(親の価値観を押し付けられて)自分で判断することを許されなかった」
「すべて(親から)あれはこうしなさい、これはこうしなさい、と言われて従ってきた」
「自分で「こうした方がいいかな」と思っても、後からダメ出しされそうな気がして判断できない」

という状況が見えてくるのです。
こういったコントロールを親から受け続けた結果、子供は自分で判断できなくなってしまいます。

(自己判断も自立型姿勢を身につけることもどちらも適切な訓練を受けることで手に入れることができます)

傷つきやすく挫折感を味わいやすい

危険なことは親が察知して事前に回避してくれた、という人生を歩んできた人にとって、いざ社会へ出てからの
・人間関係を良好に保つ
・ルールを受け入れ、ある程度の流れに従う
・叱咤・叱責を受ける。場合によっては部下に与えていく
・責任感を持ってものごとを遂行する
・決めたことをやり抜く姿勢
等は、不安な要素が満載の状態。
自分でどこまで決めていいのか、誰かから異議を唱えられたらどうしたらいいかがわからずに固まってしまいがちです。

世の中には理不尽な人もいれば、ルールを守らない人もいるし、利己的なオトナだっている。
こういうことを理屈では知ってるけれど、いざ自分がそういう人と出会ったときの対処法がわからないから、すぐに傷つき、挫折感を感じてしまう、ということが多いのです。

(他者の言動に対する耐性をつけていくことを覚えていけば、超えられない問題ではなくなっていきます)

ケアテイカーの親から卒業して、自分の人生を生きるために今すぐやりたい3つのこと

ケアテイカー型の親御さんは、子供への愛のつもりで干渉を始めます。
これが過干渉な状態であることにうすうす気づきながらも、自分自身の居場所を確保するために、干渉を続けるしかない状況に陥りがち。

でも。こんな状況を子供が受け止め続ける必要などありません。
ここではどうやってケアテイカー型の親の価値観から離れ、自分自身のアイデンティティを確立していくかについて、カウンセリングの現場で行っている流れをお伝えしながら解説していきます。

① 一旦、気が済むまで親のせいにする

「こんな風になってしまったのは親のせいだ」

最初のうちはこれが言えない方が少なくありません。
そう感じた瞬間に
「でも悪いのは自分の方だし」
「悪気があって育てた訳じゃないのに悪く言うのも」
というブレーキが掛かってしまうからです。
(実はこのブレーキもコントロールされて生まれた可能性があります)

なぜ「自分以外の誰かが悪い」と一旦宣言しなければいけないか、というと「悪者が見つからないときは自分が悪いことになる」という暗黙の考え方がその方の中にある場合が多いから。

自分責めの傾向が多い方には、一旦外に出してしまうことをオススメしています。

(もちろん直接親にぶつけたりする必要はありません。AC克服カウンセリングでは擬似的体験を行うことで、一旦自分の心を解放するワークを行っています)

② 気が済んだら親のせいにするのをやめる

ここが肝心です。
誰かのせいにすることに気が済んだら、次のステップではそれをやめること、です。

気が済むまで文句を言ったら、その後は新しい自分を形成していくことが必要になります。
「今までの自分の人生を返して欲しい」と思う方も多いのですが、自分に人生を返してあげることができるのは自分だけしかいないし、AC克服カウンセリングでは「自分で自分の人生を取り戻す」ことに時間を割いていきます。

自分で自分の人生を取り戻すことに実績を積み、自信がついてきたら、少しずつ自分で判断することに許可が与えられるようになります。
そのためにも「もう誰かのせいにするのはやめる。自分のせいにするのもやめる」というステップが大切なのです。

③ ほんの小さなことからでも自分で判断することを許可する

ご相談者によっては「マク◯ナルドにも入ったことがない」「電車やバスに乗るときには用心して乗る」という方もおられます。
それが自分の判断なのか、誰かからの司令(コントロール)があなたの心にインストールされているのかを1つずつ判断して、必要に応じて解除、上書きをしていく必要があります。

多くのことは自分で行動することで解除していけるのですが、場合によっては『深い価値観』となってご相談者から離れようとしないものもあります。その場合は必要に応じてカウンセリング手法を用いて解除していく場合もあります。

今判断できないのは今の状態です。一生そうだ、ということではありません。
まずは小さなことから始めて、少しずつ実践できるあなたになればそれでいいのです。

アダルトチルドレンから卒業!新しい生き方に気づくカウンセリングを経験してみませんか?

「これからもこんな人生が続くのか…」は勘違いです。
今回は「親御さんがケアテイカー型のアダルトチルドレンだった場合」についてお話しました。
ですが、親御さんがアダルトチルドレンで、それを改善しようとしないまま子育てが進行してしまった場合は、ほぼ間違いなくお子さまもACの状況を引き継いでしまう可能性が大きいのです。

もしこのページを読んだあなたに思い当たる点が多く感じられたら。
新しい人生を生き直すためのカウンセリングを経験してみませんか?

「このままの延長線を進むような人生しかない…」と信じて生きるのも、
「ここから違う生き方を選べる人になる!」と信じて生きるのも。

どちらも自分を信じて生きる、という意味では同じです。
要はどちらを選びたいか、なのです。

あなたがもし今。
「もうイヤ!こんな自分…」と感じていることがあるのなら。
そんなあなたとお会いできるのを楽しみにしています。

あなたの背中を押す準備は。もう整っているのです。